看護学校受験ガイド なる!看(第85号 2002年8月16日発行)

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1.まうりん先生の受験歳時記 === 葉月(はづき)の巻 ===
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こんにちは、まうりんです。

どの受験コースの人も、数学は場合の数や確率を勉強していると思います。
その中で大事なのはまず「数え上げ」です。樹形図を書いたりして数えることで
す。公式が書いているとつい公式を覚えることで頭がいっぱいになってしまいま
すよね。でも、それを使いこなさなければ話になりません。

で、この分野では使いこなすのに必要なのは「数え上げ」の力です。
規則正しく、もれなく、すべての場合を書き出す。予備校でそんなことまで教え
てもらってないということもあるでしょう。しかし、結局応用問題での場合分け
というのは規則正しくものごとをみなければ出来ないのです。思いついたものを
適当に書き出す、というのではなくて、「○の次は△」「△の次は×」という順
序で書き出すということです。

そんなもの書き出すだけでしょ?と思われるかもしれませんが、樹形図を書く授
業では、センター試験を受けると言っている人の半数以上が正しく樹形図を書け
ません。もちろん、本人は樹形図書けてるつもりなんですよ。図の体裁は樹形図
と同じ物を書いていますから。でも「もれなく」「すべての場合を」書けていな
いので、それは樹形図を書く意味がないのです。

では、何故樹形図が書けないのでしょう。理由のひとつは注意不足ということで
しょう。また「まねをする」ということについて今ひとつその重要性が身にしみ
ていないのかもしれません。

私は数学と生物を担当しているので、同じ子が数学の質問にきたり、あるいは生
物の質問にきたりします。樹形図もそうですが数学が全般的に苦手な子の場合、
生物の質問の仕方に特徴があります。それは「ぼんやりとしている」です。授業
で「この分野は図だけ眺めていたらわからなくなるので、まず、基本形を文章で
覚えてそれから図を見るとわかります」と言った分野。それを図をもってきて
「わかんない。何もわかんない」なのです。

私「この授業の時、ノートの一番始めに基本形を書いて、そこから行こうって
言ったね」
生徒「え、そんなもの書きましたか」、、、ノート開けてみてよ。
生徒「あ、書いてますね」、、、いったいアタシの授業は何だったんだ、、、、。
それで基本形を見ながら図をみると、「わかりますねぇ、なーんだ」と生徒。

この例でわかるのは、やはり注意不足はお金と時間の無駄遣いということです。
学校の授業は塾さえいけばいらないという人もいますが、学校にだってお金と時
間を費やしています。できるだけ集中して、すこしでもわかるよう努力をしま
しょう。塾や予備校の授業も一緒です。

それから「先生のまねをしよう」と言われるとイヤな気分がする人もいるかもし
れませんが、やはりまねは大事です。というより、ヒトの知識伝承はそれこそま
ねの蓄積なのですから。むしろ「これこそ人間らしい行動!」と胸を張ってもい
いくらい。

でも、この例は悪いことばかりじゃないですね。「わからない」とはっきり言え
ること。それは大事です。わかるようになりたいという意欲の現れですから。も
し、身近に勉強を教えてもらえる人がいるならば、その人に対しては「わからな
いよぉ~」を連発して、助けてもらいましょう。

それでは志望コース毎に。
■専門学校・医療技術短大(数学が1Aまで)
この夏休みは数学と英語に賭ける!という人が多いと思います。確かにその通
り。数学は先に述べた場合の数以外にも、もう一度初めからの復習をする必要
があります。特に因数分解や数と式。やはり因数分解や、式の展開では規則正
しく数を処理する必要がありそれがこのコースでの数学の死命を決するわけで
す。

割とこれらの計算は軽視されてしまいますが、教える側からしたらこのあたり
で既にこの生徒の今年の課題はこれだな、、、というのが見える分野。数学1
または1Aしかいらないとなれば、「規則正しく、もれなく」ということだけ
重視されていると思っていいのではないでしょうか。二次関数の場合分け問題
も、結局はそういうことに行き着くわけですから。
ていねいに「もう完璧!」と言えるくらい、因数分解はこなせるようになって
ください。

英語はちょっと楽しくなってきましたか?単語や熟語が少し身についたら楽し
くなりますよね。その感覚を大事にしてさらに今月は単語を増やしていきま
しょう。文法の学習をすすめている人は、できれば8月いっぱい、遅くとも
9月いっぱいで参考書をひととおり終われるようにしましょう。10月になる
と推薦入試が気になって仕方ない人が現れるのですが、意外にもその推薦組が
10月の学習が進みにくかったりします。心配事が増えるからなのでしょうけ
れど。ですから英語はできるだけ早めを心がけたほうがいいです。

国語や小論文は、内容重視です。今の時点は原稿用紙の使い方などは大した問
題ではないです。それより「看護・医療に走りすぎないこと」もちろん医療問
題について考えることは大事ですが、それだけでは発想の幅が狭くなります。
国際化、環境問題なども演習しましょう。また、漢字が書けないというのは同
じ文章でも幼稚な印象を与えますので、できるだけ漢字とその意味の追跡は怠
らないようにしましょう。
■医療技術短大・私立大(数学が2Bまで)
このコースの人は夏休みに数学2を終えて、Bに少しでも入っているはずです。
遅くとも9月からはBに入りましょう。
さて、微積分ですが、「微分係数」「導関数」「平均変化率」の意味はわかっ
てますか?微分の計算はするものの、接線の傾きが出せない、、、ということ
があるとすればそれはこれらの語句の定義を忘れているからです。やっぱりあ
る程度言葉を知らないと、いくら塾や予備校に行っても効果はあがりません。
微分の質問は、多くの場合言葉の定義を確認すれば事がたります。そう、定義
さえ覚えてしまえば微分は楽勝。でもなかなか覚えてもらえないんですよね。

英語は得意な方が多いコースだと思いますので、8月中に文法事項確認は大丈
夫ですね。長文も、短い物をいくつかこなして改めて語彙力の確認をしましょ
う。私立大のコースは秋の推薦入試が気になる人が多いので、そうなると秋に
小論文を追い上げることになり、その間他教科が停滞します。一方、推薦入試
を受験せず、一般入試に照準を合わせている人は秋こそ理科と英語をぐっと伸
ばしてきます。ですから推薦入試を考えている人はより一層の英語と理科の
ペースアップが重要になります。

理科については夏休みに遺伝や酸化還元などをしていると思います。生徒の立
場としてはかなり気になるこれらの分野。
しかし入試問題は(学校にもよるでしょうが)全範囲まんべんなく出題されま
す。ですから夏休みが遺伝だけに終わってはまずいのです。できれば次の分野
まで。化学や生物の1Bのみの出題ならば夏休みに遺伝をがんばっても間に合
います。ただし推薦入試を受けない、なら。あるいは受けるけど気にしないな
ら。それは推薦入試受験者は、秋の知識ためどきを逃すかもしれないからです。

推薦入試を受けない人々は、秋に暗記量の多い分野を勉強します。しかし、推
薦入試に理科がいらないとなると目先の推薦入試が迫っている人はとにかくそ
の科目を勉強し、理科は後回しになります。

推薦入試がこわいのは、受験したまでではなくて、合格発表後数日までもがこ
わいのです。推薦入試が終わっても、意外にも人は気分がきりかわらないもの
らしく、既に合格した気分になっています。だから合格発表日まで、ほとんど
勉強が手につきません。しかし、推薦入試も倍率は高いですよね。高校入試み
たいにせいぜい2倍なんてことはなない。だから大抵不合格に終わるわけです
が、このショックが大きい物です。

「先生、確かに期待し過ぎちゃいけないってわかってたんだけど、でも」
そして気づいたら理科の成績が急降下。周りはいつのまにか1B分野を終わっ
ている。ですから推薦入試を受ける予定の人は、8月中に1Bの3分の2以上
終わるようにしましょう。

国語は古文のめどをつけましょう。大抵国語が好きな人が多いと思うので、あ
まり強制しなくても現代文は勉強すると思いますし。やはり知らない知識があ
るのが、あとあと響きます。そういう意味では、現代文でちょっと固い文章で
知識量を増やしてみるのも手ですね。
■国公立大(二次が小論文)
センター対策はなんといっても地歴公民。日本史や世界史だと、なかなか暗記
ができないという人がいますが、教科書何度も読み返しましたか?時間の流れ
が大まかに頭に入らないと知識がまざってしまいます。一問一答などの小手先
に走る前に、まずは教科書を読みましょう。理科と違って、ひととおりざっと
こなす事が大事です。

次に数学。微積分については私大で書いたのでベクトルについて書きます。
ベクトルはちょっと辛いかもしれませんが、できれば位置ベクトルから入りま
しょう。成分のほうがとっつきやすそうに見えますが、実は成分表示は位置ベ
クトルの考えを使ったものなのです。ですから「図形と式に似てるから」とい
うだけの理由で成分計算に走るよりは少し無理をして一次独立なベクトルから
入りましょう。

ところで、一次独立ってどんなことですか?わからない?じゃあ、ベクトル苦
手ですね。さっそく数学の参考書で調べましょう。一次独立という言葉こそベ
クトルの極意です。

国語。意外にセンター受験者は国語が苦手だったりするものですが、やはりそ
れは知識量の差と言っていいでしょう。しかし専門学校の国語よりセンター試
験の国語のほうが苦手な人でも対策しやすいものです。それは古文と漢文があ
るからです。現代文はある意味どうにもしようがないものです。覚えた言葉が
ダイレクトに得点に結びつきません。

しかし古文で覚えるべき語はせいぜい500語。漢文はもっと少ないです。今
の時期、国語ができる人とそうでない人の差は漢文の得点力の差です。少しで
も早く安心できる分野が欲しいなら夏休みに漢文をほっておく手はありません。

理科はすべりどめの私大や医療技術短大を見据え、できれば夏休みに1Bだけ
でなく2も半分以上は勉強しておきましょう。センター試験が終わってからで
も2は間に合うなんてそれは幻想です。

英語は文法、長文ともにまんべんなくこなしましょう。文法にこだわることも
重要ですが、やはり今の時期はベースになる単語量を増やすことが第一です。
ですから、量をこなしてある程度の単語力をものにしましょう。文法も、単語
量があまりに少ない人の場合、単語のわからなさに心が奪われて文法どころ
じゃなくなりますし。
■国公立大(二次が学科試験)
多分今、数学と理科が面白いか、もしくは発狂寸前かのどちらかでしょうね。
夏休みはこれらの科目は二次に向かって突っ走ります。塾や予備校の授業も急
に難度が高くなりとまどっているかもしれませんが、今こそ二次力を伸ばす時
期だからです。きびしい時期ですが質問に行ったりしてできるだけ授業につい
ていきましょう。

同時に夏休み中に地歴公民をひととおりやりましょう。文系の理科の遅れ、理
系の地歴公民の遅れはどちらもほぼ致命傷です。センター試験の得点がとれな
ければ二次はないのですから数学や理科が好きなら、地歴公民も頑張って下さ
い。英語・国語は上のセンターまでの人の話を参考にしてくださいね。
まう部屋
http://isweb27.infoseek.co.jp/diary/maubeya/index.html
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2.なるかんゼミの風景
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来春合格できる人とそうでない人。これが傍目に見え始める時期です。試験の合
否は「水物」と言われます。そうした面も確かにあります。しかし、合格する人
は、合格できるような「行動」をしています。具体的には、教科の内容面では、
まうりんさんが毎月ご指摘くださっているような取り組みができているかどうか
ということですね。

受験生としての生活面では(1)受験勉強の質的な面、(2)量的な面、(3)
受験情報の把握などがあげられます。

(1)受験勉強の質的な面というのは、試験日まであと何日、それまでにどこの
模試を何回を受けるのか、今の時点での自分の課題は何でそれをいつまでにどの
ように強化するのか、など入試までのスケジュールをどのくらい具体的に立てて
いるのかということ。(2)量的な面というのは、毎日計画的に勉強時間が確保
できているのかという根本的なこと。(3)受験情報の把握とは、自分の志望校
受験予定校については、学校見学会が実施されるのか、その時期はいつなのか、
来年度の募集要項はいつから配布が始まるのかなどについて学校に問合せ、確実
な情報を入手すること。

これらを「している」か「していない」かという現時点の「行動」を見ると、大
よそ来春の結果が見えてくるということです。

仕事の出来る人は「段取り」が違います。段取りで成否の8割が決まると言う人
もいます。受験も同じですね。まずきちんと段取りをし、後はそれを黙々と消化
していくだけです。
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3.編集後記
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なるかんは、少し夏バテ気味です。冷たいもの(ビールです)を飲みすぎている
せいか、いつになく体がだるい。冷たいものを飲みすぎているなあと反省するの
ですが、仕事の後の「一杯」の誘惑に毎日負けています。
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